夏になると、食べたくなるのが「そうめん」ですね。
『日本三大そうめん』と言えば、西日本で生産量の多い「播州そうめん(揖保乃糸)」・「三輪そうめん」・「小豆島そうめん」となります。
これらのそうめんは、『手延べそうめん』といい、手で作られたものを指します。材料はシンプルで小麦粉と食塩や水を加えて練って、植物油を塗って延ばされ、工程で熟成が行われたものです。
播州そうめん(揖保乃糸)
産地は、その名のとおり、播州、播磨の国(兵庫県南部)で作られています。その始まりは、1418年に、兵庫県揖保郡の寺に残る寺院日記に「サウメン」の文字がでてくる頃からです。約600年の伝統があるのですね。
そうめんの特徴としては、茹で伸びがしにくく、ツルっとしていて、コシがあります。
製造期間は、10月から4月(最盛期は12月から2月)になります。
原料は、厳選した小麦粉・赤穂の塩・油です。
三輪そうめん
産地は、『三輪さん』と親しまれている大神神社(おおみわじんじゃ)のふもとにある奈良県桜井市で作られています。歴史は古く、1304余年にも遡ります。大神神社で、疫病で苦しむ民の救済を祈願したところ、神様のお告げがあり、それをもとに作られたものが、そうめんの起源になるそうです。また、宮中への献上品としても知られています。
そうめんの特徴としては、強いコシです。そのため、冬になって、そうめんを暖かいお出汁で食べる「にゅうめん」は格物です。
製造期間は、11月~3月になります。
原料は、小麦粉・食塩・綿実油
小豆島そうめん
産地は、香川県小豆島で作られています。歴史は、400年前に小豆島に住んでいた島民が、奈良の三輪に行った時にそうめんの作り方を学んだのが始まりです。
そして、小豆島でそうめんが盛んになった理由は、冬に農業の仕事がなくなる時期にそうめんをつくりやすかったのと、島の天候がそうめん作りに適していたからでしょう。
そうめんの特徴は、もちもちとした弾力と黄色いめんです。
製造時期は10月~3月になります。
原料は、小麦、瀬戸内海の塩、かどや製油のゴマ油を100%(小豆島で作られているそうです!)
そうめんのゆで方
たっぷりのお湯で、素早くゆでて、しっかり洗うことがコツです。
- 大きな鍋に湯を沸かします。その間に、そうめんを束ねている帯をはずしてください!沸騰したら、そうめんを入れます。
- 沸騰した湯にそうめんを放射状に入れ、箸で軽く混ぜます。
- さらに、1分30秒ほどたって、沸騰したら火を調節して、透明になるまでゆでます。(好みの硬さかどうか、味見してみてもいいですね)
- 手早くザルにあげて、流水でやさしく揉むように両手でぬめりをとります。
そうめんを湯に入れたときに、グルグルかき混ぜると麺にキズがつくよ!
差し水は、かまどで火を焚いていた頃は、必要だったみたい
そうめん1人前の量は?
1人前は、しっかり食べたいときは2束~3束で、少量食べたいときは、1束~1.5束です。湯の量は2束につき1リットル必要です。
冷やしそうめんのつゆの作り方
だし汁:薄口醤油:みりん=2:1/2:1/2の割合で一度煮立てて、その後、冷やしておきます。
だし汁は、「昆布とかつお」もしくは、「干しシイタケとかつお」でとり、ザル+キッチンペーパーでこしてください。
にゅうめんのつゆだし汁の作り方
薄口醤油:みりん=5:1/2:1/3の割合で煮だし汁を作り、うす焼卵、三つ葉、味付け椎茸などをのせます。
そうめんで気をつけること5選
そうめんの扱いで気をつけるポイントです。
- タッパーやチャック付きのビニール袋に入れ、密閉した容器に入れて保存してください。
- 冷蔵庫の保存はにおいがうつりやすいです。
- そうめんの賞味期限は約3年が目安です。製造会社によっては3年6カ月のところもあります。
- そうめんの色が少し黄色がかるのは、雨や天候の悪い日に作られたので問題はありません。
- 4月~9月は気温が高くコクゾウムシ又はシバンムシがつく可能性があります。早めに食べることをおすすめします。
そうめんは湿気を嫌います。そのため、そうめんは、倉庫で空調管理されています。新物のそうめんは、高温多湿を避け、できるだけ12月ごろまでには食べきりましょう。大神神社の近くのお店では、年越しそばの代わりに「にゅうめん」が出てきます。
そうめんを作る工程で油が必要なわけは?
『手延べそうめん』は、食塩、水等を加えて練って、植物油、でん粉、小麦粉を塗り、引き延ばしてめんとなります。
そして、めんの工程で引き延ばした生地を熟成させるのですが、その工程に13時間ほどかかり、その結果、めんは乾燥してしまいます。そのときに用いられたのが、植物油だったのです。
また、時間をかけて熟成させることで、めんのコシや、長期保存できるようになります。
まとめ
日本三大そうめんは、手作業でつくられた『手延べそうめん』で、きちんと熟成されたものであることが分かりました。原料が小麦粉と塩と植物油でシンプルにつくられていることもポイントですね。
それぞれに、味やのどごしに違いがあるようです。生産地の塩や食用油のこだわりも興味深いですね。
そうめんは、そうめんだけで食べるには、物足りないこともあります。
しかし、幼児や高齢者にとっては、食べやすいことも利点で、料理のアレンジもたくさんあります。
少し多めに購入して、身内や友人と分け合ってもいいのではないでしょうか?
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